オンラインカジノがweb3の起爆剤になるのか?

web3

はじめに

2024年現在、インターネットの世界は極端な「中央集権型」な空間だと揶揄されることがあります。

GAFAMと呼ばれる企業が誕生(Google、Apple、Facebook:現Meta、Amazon、Microsoft)し、こうした特定企業に多くのユーザー情報が蓄積され、一部の企業に情報、資金、そして権力が集中している、そんな場所が今のインターネットであるともいえます。

このような状況を打破する一つの思想として、または哲学として提唱されているのが「web3」だと言われています。

「web3」には、情報を”分散(非中央集権)”で管理する、という根本的な考え方があり、これは現代の中央集権的な考え方へのアンチテーゼです。また、すでに技術的には、web3の思想を実現する手段が揃っているとも言えます(ブロックチェーンやスマートコントラクトなど)。

しかし、今は過渡期であるとはいうものの、まだまだweb3が普及しているとは言い難いのが現状です。

本記事では、web3が注目される背景から始まり、なぜweb3が普及しないのかの現状と課題を考えながら、タイトルにもある「オンラインカジノがweb3の起爆剤になるのか?」について、考察します。


web3が注目される背景

web3とは、ブロックチェーン技術を基盤とし、分散型でユーザー主体のインターネットを目指す概念です。これにより、中央集権型プラットフォームから脱却し、次のようなメリットを提供します。

透明性と公正性

web3は、取引や契約の内容が改ざんされにくい仕組みを提供します。スマートコントラクトを活用することで、事前に定められた条件が確実に実行され、ユーザー間での信頼性が向上します。

グローバルな資金移動

仮想通貨を用いることで、国境を越えたスムーズな送金が可能です。これにより、従来の銀行システムでは高額な手数料や時間がかかっていた国際送金が劇的に改善されます。

新たなビジネスモデル

web3の基盤技術を活用することで、トークンエコノミーやDAO(分散型自律組織)など、従来にはなかった革新的な運営形態が実現します。これらの特徴は、特にオンラインカジノのような国際的なサービスにおいて、信頼性や効率性を大幅に向上させる可能性を秘めています。

こうしたweb3の特性は、世の中のビジネスにおける「信頼性」「決済手段」「国境を越えた展開」といった課題への解決策として期待されています。


なぜweb3が普及しないのか(現状と課題)

web3が普及しない背景には、いくつかの現状と課題が存在します。以下に、その主な要因を整理してみます。

1. web3の認知不足と心理的ハードル

  • 未知への恐怖感: 多くの人々にとってweb3はまだ馴染みのない存在であり、未知の技術や概念に対して自然と恐怖心や不安を抱きます。
  • 難解なイメージ: web3は技術的に難しそう、あるいは複雑で手が出しにくいという印象を持たれがちです。このため、一般の人々への浸透が進みにくい状況が続いています。

2. 権力の分散化が持つ課題

  • 理念の受け入れの難しさ: web3の根底にある思想である“権力の分散化”は、一見すると理想的な平等社会を目指しているように思えます。ですが同時に、既に強い権力を持つ者や、社会で勝ち上がろうとしている人々にとって、この分散化の理念はあまり魅力的に映らないことがあります。
  • 理想と現実のギャップ: 平等な社会は素晴らしい理念ですが、競争や優越感を動機として行動する人々にとっては、むしろ不都合な社会であると捉えられることもあります。

3. web3の先駆者達の印象

  • web3のすばらしさを提唱する人たちは、所謂「学者、成功したビジネスマン」などが多く、すこし”意識高い系”のトレンドであると見なされる嫌いがあり、これがweb3が敬遠されている一つの理由ともいえる。

4. 普及へのハードルと解決策

  • 親しみやすい環境の整備: web3が普及するためには、より親しみやすく、誰でも関わりやすい環境を整える必要があります。
  • 実用性のアピール: 技術そのものの価値や利便性を広く伝えることで、理念だけでなく実用性も含めて理解を促すことが求められています。

web3はその理念と技術が融合した新しい可能性を秘めていますが、それを普及させるには現状の課題に正面から向き合う必要があります。


オンラインカジノがweb3を普及させる起爆剤になる理由

私は、オンラインカジノこそがweb3を盛り上げる(普及させる)起爆剤になりうると考えています。その理由を以下に述べます。

過去のWeb普及を支えた要因

  • Web1.0の普及: Web1.0を大幅に普及させた要因は、「アダルト情報(動画や画像)」だと言われています。
  • Web2.0の普及: Web2.0の普及においては、「デーティングアプリ」が起爆剤になったと考えられています。

このように、Webの普及初期には少なからず人間の根源的な欲望が関わってきたことが分かります。オンラインカジノの根幹である「賭博」は、まさに人間の根源的な欲望が関わっています。その上へオンラインカジノはweb3との親和性も高いです(後述を参照)

web3とオンラインカジノの親和性

web3が持つ特徴である「スマートコントラクトによる非中央集権管理」と「仮想通貨や独自トークンによるDeFi決済」は、オンラインカジノと非常に相性が良いと言えます。

  • 非中央集権管理の利点: オンラインカジノを非中央集権管理にすることで、胴元の管理コストを削減し、その分を純粋な賭けへの還元(RTP向上、またはキャンペーンへの転嫁)に充てることが可能です。
  • DeFi決済の利点: DeFi決済を活用することで、胴元が決済の管理負担を負う必要がなくなります。

適切なルールの整備が必要

もちろん、オンラインカジノの普及には課題もあります。各国が適切なルールを用意し、以下の点に配慮する必要があります。

  • 依存症対策: ギャンブル依存症への対応策を講じること。
  • マネーロンダリング防止: 適切な監視や規制を設けること。

web3の発展への寄与

これらの条件が整い、正しくオンラインカジノを楽しむ人が増えることで、web3の発展につながると考えられます。オンラインカジノは、web3技術の実用例として注目され、多くの人にその利便性や可能性を伝える手段となり得るでしょう。

まとめ

web3はその可能性と理念の両方が注目されている技術ですが、その普及には大きな課題が伴います。認知不足や技術の難解さ、そして権力分散化が持つ理念のハードルが普及を妨げる一因となっています。一方で、オンラインカジノのような実用例は、その特性がweb3と高い親和性を持ち、普及を促進する起爆剤となる可能性を秘めています。

しかし、その発展には適切なルールの整備が不可欠です。規制上の問題や詐欺リスク、依存症への対策といった課題に取り組むことで、web3の普及が現実のものとなるでしょう。web3技術は、オンラインカジノを含む多くの分野で新しい可能性を切り開き、より公平で効率的な社会を実現するための鍵となるかもしれません。

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