当サイトをご覧いただきありがとうございます。管理人の「オスロ」です。
先日(2024年6月29日)、NHKにて以下の番組が報道されました。
「調査報道 新世紀 File4 オンラインカジノ 底知れぬ闇」
番組の内容を要約すると、以下の通りです。
- 日本国内では「オンラインカジノ」は完全に違法。
- 「オンラインカジノ」の運営のほとんどは、日本国外で行われている。
- 取材は「オンラインカジノ」の運営先の一つである「マルタ共和国」で行われた。
今回この番組を拝見したので、それに関する感想を述べながら、「オンラインカジノは底知れぬ闇なのか?」ということに関して、私としての意見を述べようと思います。
1. NHKスペシャルを見た感想
番組の内容について感じたことを記します。
まず、番組は「日本国内では『オンラインカジノ』は完全に違法」という立場で取材を進めており、中立的な視点が欠けているように感じました。これは、事実を基にしたジャーナリズムというよりも、あらかじめ決められた結論に基づいて報道している印象を受けました。
例えば、「カジノはズルをしている」という意見を紹介する一方で、「カジノは公平である」と主張する反対意見は取り上げられていませんでした。このような一方的な報道は偏った情報を提供する結果となり、公平性に欠けると感じました。
また、番組では「ギャンブル依存症」の問題を「オンラインカジノ」のみに焦点を当てて取り上げていました。しかし、日本にはパチンコや公営ギャンブルといった他のギャンブルも存在しており、これらについてはほとんど触れられていませんでした。実際、まだ日本でランドカジノが完成していない2024年現在で、日本のギャンブル依存症者数は196万人もいます。決してオンラインカジノだけが問題ではないはずです。この点についても、特定の対象のみを強調する報道姿勢に違和感を覚えました。
全体として、本番組の取材量と情報量だけでは、「オンラインカジノの闇」と称し、悪と決めつけることはできないのではないか、との印象を受けました。
私がヨーロッパ在住であり、オンラインカジノ側で働く真面目な方々の話を聞く機会が多いため、私のポジショントーク感が否めないですが、上記は客観的に見た感想として記載するように努めてます。
2. 当サイトの管理人(オスロ)としての意見
本番組や、最近の「オンラインカジノ」の取り扱いについて、私には以下の2点に関して意見があります。
- オンラインカジノの違法性について
- オンラインカジノの公平性について
これらについて、説明したいと思います。
オンラインカジノの違法性について
オンラインカジノの違法性に関する議論について、私は以下のような考えを持っております。
グレーゾーン
オンラインカジノは長らく日本で「グレーゾーン」とされてきました。実際に「オンラインカジノが違法である」と明確に発表され始めたのは、2022年の10月からです。それまでは国内でも見解が分かれ、法整備もされないまま時間が過ぎていました。このような状況下でも、経済的に市場が存在すれば、そこに多くの雇用が生まれます。実際、2022年以前から多くの日本人がオンラインカジノ業界で働いていました。オンラインカジノが存在する限り、雇用が生まれ、経済活動が行われるのは自然な流れです。
法改正の必要性
このような状況で、突然法解釈を変更して「オンラインカジノは違法である」と発表すれば、業界で働く人々に大きな混乱が生じ、突然の失業などが発生します。これは市場原理として仕方のないことですが、「違法」であると発表するのであれば、もう少し「明確」で「現代に合う」法改正が必要ではないかと思います。
法改正(立案→審議→承認→公布→施行)の手続きを経ることで、オンラインカジノ会社や業界側も時間に余裕を持って対応を検討することが可能です。現在の「法解釈の変更」による突然の広報は、大きな混乱を生んでしまっているのではないかと思います。
オンラインカジノの公平性について
他方、「オンラインカジノは重度の依存症を引き起こす」といった意見や、「オンラインカジノはギャンブルとして危険なので、そこで働くような人の雇用など知ったことではない」といった意見を聞くこともあります。これらについても、私の意見(また、私の知っている情報)などを交えて、お話できればと思います。
トランザクションの履歴
オンラインカジノが「重度のギャンブル依存症を引き起こす」と指摘されることが多いですが、この指摘にはいくつかの点で疑問があります。
オンラインカジノでは、すべてのトランザクションが詳細に記録されており、プレイヤーの行動を正確に追跡することができます。この記録の透明性は、ランドカジノ(例えば、パチンコや公営ギャンブル)と比較しても非常に高いです。プレイヤーのベット履歴や勝敗のデータが残るため、自己管理がしやすく、第三者による監視も容易です。
さらに、カジノ運営者はギャンブル依存症の防止策を講じており、プレイヤーの行動を監視して依存症の兆候が見られる場合には、プレイの停止や制限を設ける措置を取ります。また、プレイヤー自身も自主的にカジノでのプレイ制限を設定したり、ベッティングリミットを設けたりすることができ、これらの対策は依存症対策として有効に機能しています。
このように考えると、「オンラインカジノがギャンブルとして危険」という議論は、必ず他のギャンブル(公営ギャンブルやパチンコなど)と比較して行うべきです。その中でも、オンラインカジノは賭けの状況が最も可視化されているギャンブルの一つである点は、特筆すべきです。
ライセンスと規制
オンラインカジノは、厳格な規制と監視のもとで運営されるためにライセンスを取得しています。例えば、マルタやジブラルタルなどの規制が厳しい国々のライセンスを取得したカジノは、その運営基準が非常に高いです。また、いくつかのオンラインカジノは、イギリスやスウェーデンなどの海外市場で上場している公的な企業です。これらの企業は、日本企業ではないものの、国際的な規制を遵守し、透明で公正な運営を行っています。国際社会での信頼を維持するために、ライセンスを持つ企業が「公平でないギャンブル」を提供する理由はほとんどないと考えられます。
本件の内容とずれますが、安全なカジノは「ライセンスを取得しているかどうか」が重要になります。「ライセンスを取得していないカジノ」には、危険なものもありますが、それらを一緒くたにして、「オンラインカジノは危険」とするのは、やや性急な結論であると考えます。
さいごに
これはあくまで私個人の意見ですが、オンラインカジノという業界は日本ではあまりなじみがないため、法整備が追い付いていない状況にあるように思えます。この曖昧さが「オンラインカジノの闇」を生み出しているような錯覚を引き起こしているのではないでしょうか。
一方で、オンラインカジノの会社のほとんどはライセンスを取得しており、その中には上場企業も存在します。オンラインカジノ業界は、少なくともヨーロッパではかなり透明性が高く、そこには「底知れぬ闇」は見当たりません。(インターネットで全ての情報が正しく公開されています)
オンラインカジノに関する議論は、多角的な視点から行うべきです。最も重要なのは、法改正を通じて透明性を高め、公正な運用を行うことです。また、メディアが一方的な解釈で偏った報道をせず、中立的な報道を行うことが、より良い議論を生み出すと考えます。さらに、ギャンブル全般に対する規制と対策についても、オンラインカジノに限らず、他のすべてのギャンブルを一貫して行うことが大切です。
日本社会がこの議題に対して、多様な視点から議論を進めていくことを期待しています。
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